職業選択の自由
免許が無ければその職に就く事ができない職業では、その免許持つ人々が、免許されている領域の仕事をすることが職責であると言えます。
特に、業務独占がある免許については排他的であるため、需要に応じた供給が求められます。
一方で、その免許を持つ全ての人が、免許される領域内で仕事をする必要はありません。
日本国憲法では、誰もが『職業選択の自由』を有することを保障しています。これは、職業を決定する自由、自己の選択した職業を遂行する営業の自由を含みます。
免許を持っているが、免許された領域外での職業を選択する自由があります。
少数擁護
免許されている領域の仕事に就く人がマジョリティ(majority)、領域外の職業を選択する人がマイノリティ(minority)になることは容易に想像できます。
マイノリティは、同じ立場の人が少ないことは事実であり、多数決のような場面では弱者であることは間違いありません。
一方で、個々の能力が劣っている訳ではなく、公共の福祉や秩序に反している訳でもありません。
労働力と賃金
臨床工学技士法は1987年の第73代内閣総理大臣中曽根康弘氏の下、第108回通常国会で制定された比較的新しい医療資格です。
同法成立過程の議事録には『将来的には一万五千人から二万人ぐらいが必要なのではなかろうかと見込んでおります』と残されています。
累計で5万人超の合格者があり、その多くが定年退職する年齢には至っておらず、現役世代が当初想定の2倍超居る可能性があります。労働力の供給体制は備わったと考えられます。
供給過多が起これば賃金は上がりません。最低賃金法で守られる水準まで低下する恐れもあります。
透析患者減少など需要衰退が加速すれば失業者が出る事態も想定されます。
新卒者が不幸な道を辿らないよう新規合格者数のコントロール、および現任者の労働移動などが求められます。
資料
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。第二十二条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
② 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。第二十三条 学問の自由は、これを保障する。
日本国憲法
(目的)
第一条 この法律は、臨床工学技士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もつて医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。(定義)
第二条 この法律で「生命維持管理装置」とは、人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部を代替し、又は補助することが目的とされている装置をいう。2 この法律で「臨床工学技士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床工学技士の名称を用いて、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作(生命維持管理装置の先端部の身体への接続又は身体からの除去であつて政令で定めるものを含む。以下同じ。)及び保守点検を行うことを業とする者をいう。
臨床工学技士法 第一章 総則